White Sorcery Label

works; Ayano(medicP) and TenRyuuKou

特集【2】:続・アルバム「最後の竜が愛したこの世界の断片」誕生秘話

      2014/09/14


【インタビュー記事】 前回に引き続き、White Sorcery Label より、4月に頒布が開始されたアルバム、「最後の竜が愛したこの世界の断片」音楽担当Ayano(メディックP)氏へのインタビューをまとめた。

1.実はジャズ嫌い?

コツゴモリCRT: 「最後の竜が愛したこの世界の断片」は、元気なケルト風のインスト曲から始まって、色とりどりの異世界の風景を切り取ったようなボーカロイド楽曲中心のアルバムですが、どんなサウンドにしようとか、何か音楽的に意識したことなどありますか?

Ayano: うーん。いつも、自分らしくありたいと思ってはいるんですが……でも、何が自分らしさなのかよくわからないなとも思っていて。この話をしだすと哲学になる(笑)。

コツゴモリCRT: 質問を変えましょうか(笑)。どんな音楽が好きで、それを意識して作ったりはしますか?

Ayano: 雑食性なので、友達が勧めるものもとりあえずなんでも聴きます(笑)。でも、最近特に好きなのは、クラシックの部類と、素朴な民族音楽です。意識はしないですが、どこかで聴いたエッセンスが入っていたりはするでしょうね。ちなみに、ジャズは嫌いです(笑)。というかトラウマ。

コツゴモリCRT: えっ。意外です。Ayanoさん、ジャズ系の曲が多いから、ジャズが一番好きなんだと思ってました。しかしまた、どうしてですか。

Ayano: あ、嫌いは言い方おかしいか。ジャズを崇拝してるじいさんがたが嫌いなだけかも。私は、古典ジャズの楽曲自体はすごく好きだったりするので。でも、新しいのを積極的に探すほどではないです。これは他のジャンルでもそうなんですが。クルマの中で流れてるラジオとかで、これはいいな! と思ったら、帰宅してから、放送された曲を手がかりに調べ出す。あまり掘り下げないし、詳しくもないから、その程度の好きレベルです。

コツゴモリCRT: なるほど。ところで、トラウマって何があったんですか?(笑)

Ayano: セッションでの経験がちょっと。私は最初はクラシック系のピアノ奏者だったんです。で、中学になる頃にジャズが入ってきたんですよ。なので、セッションもしてたんです。そこで一緒になるのはみんな年上で。父の関係者だったので、おじいさん中心。でも、年齢は別にどうでもいい。何がだめだったかというと、たぶん感性が合わなさすぎたんですよね。どこかで聴いたような動きばかりしろしろって指示されるのもイヤだった。

あとね、意地悪すぎ。私は小学校高学年からDTMで作曲してたので、オリジナル曲を持っていったんですけど、それのコード譜を見て「こんなん弾ける?」「自分で作ったんじゃないでしょ」って、まるで私が何か盗用したんだろうみたいに言うんです。

私は演奏が下手な部類だから、演奏用の曲は簡単に作る傾向があるんだけど、父が「Wさんは初見で何でも弾ける。大船に乗ったつもりで、どんな難しい曲でもいいから自分の曲を書いてこい!」と言うから持っていったのに、これはひどいでしょ。

まあ、とにかく「あの人ら、『クラシックに比べたら、ジャズは新しくて事由な音楽や!』とかって言うてたけど、古い音を手グセで奏でるのがジャズなん?」っていつも不満でした(笑)。今でこそ、オーソドックスな作りのものを作っている私ですが、当時は尖ってましたから(笑)。

コツゴモリCRT: (笑)。なるほど、そんなこともあったんですね。

Ayano: はい。ジャズ=周囲の大人のイメージ、大人って酷い、みたいな。

2.DTMという方法

コツゴモリCRT: そういえば、大事なポイントを忘れてました。このアルバムは、このCDのためだけに作った「書きおろし」中心だっていうことを。

Ayano: 私も忘れてました(笑)。でも、すでに投稿してある曲も入れてますし。

コツゴモリCRT: そうですね。

Ayano: 既投稿曲も根っこが同じな楽曲がいくつかあって。なので、世界のひとつとして組み込みたかったんです。昔に作った曲たちも、そのときのベストを尽くしてるつもりですし、大事にしたいですから。古いからって聴かれなくなるのって寂しい。

コツゴモリCRT: なるほど。いろんなジャンルの曲を書かれてますが、軸はブレてないですね。たとえば、この曲「第七天国の魔」は新しいタンゴ調の曲ですが、Ayanoさんらしさは感じます。これも既発表曲ですよね。

(CD版は再編集&リマスタリングしています)【結月ゆかり(Yuzuki Yukari)】第七天国の魔【オリジナル】

コツゴモリCRT: 生々しいアコーディオンが印象的です。生録音したものですか?

Ayano: まさか(笑)。そんなに制作費捻出できませんので(悲しい顔)。――DTMです。つまり、いやもう今さら説明する必要ないですよね。技術的な話をするとすごく平凡ですけども、DAW上で曲を書いてるわけですが、オーディオ/MIDI・ループ素材も使うこともあるんです。けど、たとえば、このバンドネオンの音はシーケンスがMIDIデータ。つまり、オーディオ・ループ素材ではありません。地道にやるときはやってるという。

コツゴモリCRT: ほほぅ。 機材は何を使ってますか?

Ayano: さっきも少し言いましたが、DAW+ソフト音源です。音源は本当は外部MIDI音源(※ハードウェア音源)もいくつかありますけど、使ってないから今はその手の話はしないほうがいいですかね(笑)。

コツゴモリCRT: またの機会に「時代のDTM機材」について熱く語ってもらおうと思っていますので、そのときにぜひ(笑)。

3.「結月ゆかり」という歌姫

コツゴモリCRT: 今回、歌い手はボーカロイド「結月ゆかり」をメインとしていますが、その辺についても何かあれば。

Ayano: 数あるボカロの中でも、「結月ゆかり」は私の都合と好みに完全にフィットしていましたので。ちなみに、私は「結月ゆかり」の声を聴いた瞬間に購入を決めたし、それが元でボカロPになってます(笑)。

コツゴモリCRT: そうでしたね。「結月ゆかり」のどういうところが好きですか?

Ayano: そりゃあもう、全部(笑)。声は伸びが良いし、クリアだし、色気があるし、低めもキレイに出るし、GEN値少々変更しても不自然になりにくいし、とにかく扱いやすい。何か文句つけれるとこってあります?(笑) キャラもかわいいですしね。

コツゴモリCRT: なるほど。本当に、好きなんですね(笑)。では、そろそろお時間ですので、最後に何か言いたいことがあれば、ぜひ。

Ayano: はい。私は、DTMもボーカロイドも、既存の枠で考える必要がまったくないから好きです。それから、天龍洸さんが描く絵が本当にめちゃくちゃ好きなんです。そして、私が決別しようとしてこのアルバムで表現しようとした「昔の幻想からくる更なる幻想のなかの異世界」そして、生きる痛みも、今なら愛せるっていう気持ちです。

今回のアルバムは、好きなものを全部詰め込みました。抜かりなく、そのときの全力で。だから、たとえ誰にも受け取ってもらえなかったとしても、作った意味はありますよ。

でも、私は欲張りだから、そこで終わりたくはなくて(笑)。できれば、多くの方に、このアルバムを手にしてほしいなぁと思っています。私が生きた証だとか、そういう捉え方とか関係なしに、純粋に、音楽CDとしてなかなか良い出来だと自負しておりますので。

コツゴモリCRT: では、アルバムの入手方法についても、お願いします。

Ayano: 入手については、直近では2014年9月21日(日)に、結月ゆかり・オンリーイベント(ゆかオンと略します)「結月家の食卓」があるので、そこで。か、通販ですね。ゆかオンには2ndの「ジェットブラック・アビス」と一緒に持っていきます。名古屋国際会議場、白鳥ホール、スペースは【結月-05】です。ぜひ遊びにきてください。

コツゴモリCRT: 本日は、ありがとうございました!

Ayano: 読者のみなさんも、きょうはありがとうございました。

4.次回は、イラスト担当・天龍洸氏インタビュー

【次回は】イラスト担当・天龍洸氏にインタビューしたので、そちらをまとめてお送りします。アルバム初出のボーカロイド・マスター28当日に描かれたイラストも見れますよ! お楽しみに!

【質問募集中】ご意見・ご感想など、コメントお気軽にどうぞ! もしこんなことを語ってほしいというリクエストがございましたら、コメントしてくださいね。次回以降で対応できると思います。

【文責・編集】コツゴモリCRT
【協力】Ayano(メディックP)

5.関連リンク集

・CDの紹介ページ(委託先は今後増えます)

※Amazonで取り扱い開始されました!
「最後の竜が愛した この世界の断片」
「ジェットブラック・アビス」

・特集【1】:アルバム「最後の竜が愛したこの世界の断片」誕生秘話
・特集【2】:続・アルバム「最後の竜が愛したこの世界の断片」誕生秘話
・特集【3】:続々・アルバム「最後の竜が愛したこの世界の断片」誕生秘話~天龍洸篇
・特集【4】:楽曲「ジェットブラック・アビス」制作秘話
・特集【5】:みなさんからの質問にお答えします(仮)
/9月19日(金)ごろに掲載予定
※第五回は質問リクエストが一つもなければ、なしになります。

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